dorivenの日記

気がついたら社会人。気になる技術的なことについて少しずつ書いていけたらと思っております。

インターン生をTAという視点から見て感じたこと

ここ数週間はインターンにTAとして参加していました。
つい一年前の自分を見ているようで、感慨深いものがありますね。
今日は技術からは少し離れて、TAとしての感じたことを書いていきます。

今年のインターン生に対する所感



今年のインターン生を見ていると、昨年の自分達の代よりもレベルが高いように感じた。
その理由を挙げていく。

  1. Gitの使い方を理解している。
    というよりは、Gitの使い方の説明を深くされてないにも関わらず、大体の人は問題なく使えているように感じた。
  2. 質問をしてくる人が少ない。
    質問をせずとも自分で解決できる人が多いように感じた。また、質問してくる内容もHowというよりはWhyという深い部分まで聞いてくる人が多かったように感じている。
  3. 講義の内容が昨年よりも高かった。
    内容も詰め込むスピードも昨年とは段違いに感じた。特に自分たちの代ではサーバサイドのベースの部分を中間課題を通して理解していた。それに対して、講義を通して理解していたので、時間が自分たちの1/3程度であるにも関わらず、機能の追加なども行っていたので凄いと感じた。
  4. フロントエンドから開発したのもあると思うが、全てのチームが素敵なUIを提供しており、フロントの部分では昨年より技術的にレベルが高い傾向にあると感じた

逆の視点から見ればサーバサイドの技術を急いで詰めたのもあるせいか、DBやセキュリティに関しては少し弱いと感じている。
もちろん、これは個人の感覚でそう感じただけの物を列挙しただけで、TAとして総意ではない点には注意していただきたい。

教えるという視点から



やはり人に教えるというのは難しいということを感じた。
研究室で技術的な質問をされることはちょくちょくあるので、技術的な質問をされることには慣れているし、教えるのも下手ではない、と勝手に自分で評価していたがそうではなかったということを感じた。
人によって知識的な背景(バックボーン)の部分が全く違うので、それらのバックボーンを理解し、適応して教えることが出来なかった。
また、TAをやっていて個人的なエゴがあり、「ただやり方を覚えるだけでなく、しっかりと理解して貰いたい」という方針で理解を促すような教え方をしていたが、前述のバックボーンの違いにより、そのエゴは実現出来ないことがわかった。

例を出すだけで理解する人が居れば、図を交えて説明しても分からない人も居る。
その差は、教えている技術に近い事をやっていたかどうか、また、それを理解して触れていたかにもよると個人的に解釈している。
HTMLが触ったことがない人でもDOMの構造を理解するとき、木構造が理解出来れていれば理解をする事は比較的容易だと思う。
しかし、木構造の概念を理解していないと、いきなりDOM構造と言われても理解する事が出来ない。
こういった、バックボーンの差は教えていく中で知っていくしか無い。
なぜなら、「今自分がやっている技術が分からない」ということは伝えられても、「自分が何故その技術を理解できないのか」という理由の部分を答えられる人は少ないからだ。
その部分を探すのは、やはり人に教えていく上で養っていくものだと思うし、自分にはその能力がまだまだ足りない、と感じた。

伝えるという視点から



今回、自分の中で大きな気付きだったのは人に何かを伝える時、抽象的な言葉を使いすぎてしまっている点だ。
特によく使ってしまうのが「こそあど言葉」と呼ばれるものを使ってしまうことが多かった。
その中でも”あれ”という言葉を多く使ってしまっている。
「そこは、”あれ”だから」とか、「結局、その技術は”あれ”だよ」とか。
無意識のうちに使用してしまっている場合が多い。
自分は何かを理解するときに、言葉ではなくイメージで理解するタイプなので、そのイメージを言葉で表現しようとすると、上手く伝えられれず抽象的な表現に逃げてしまう事が多い。
この表現の仕方が危ないのは、「相手に正確な情報を伝えられていない」、「本人が理解した気になっている事でも、本当は理解していない事に気づかない」という二点があると思っている。
もちろん自分が正確に理解しているが、その説明の難しさに逃げてしまう、という側面もあるのだろうが、難しい話を簡単に伝えられてこそ、真の理解が得られると思うので、やはり抽象的な言葉を多様することは自身の成長にとってもよくないと感じた。
そのため、途中からは「こそあど言葉」を使わないよう、極力気をつけるようにしていた。

アイディア出しを第三者の視点から



講義内容のレベルが高い事や、今年のインターン生が技術的に優秀な事もあり、アイディア出しもサクッと終わらせてしまうのではないか、という風にも考えていた。
しかし、アイディア出しの部分では昨年と変わらず、どのチームも自分たちのアイディアを固めてどのようなサービスにするか、という点が中々決めきれておらず、アイディア出しの難しさを改めて再認識した。
昨年の自分たちのチームもそうだったが、アイディア出しでプロダクトベース(このような機能を作りたい、こんなサービスを作りたい)のアイディアからアプローチしていくと、サービスの機能選定をするとき、プレゼンをする時にどのような課題をベースに作ったのか、という点を説明するのが難しくなり、求心力の弱いサービスになってしまった。チーム毎に見ているとこんな機能を作りたい、という部分から入ってるチームがあり、昔の自分たちのチームを見ているようで色々と複雑な気持ちになった。
また、第三者の視点から様々なチームを見れることで、出しているアイディアに対して先入観などを抜きにして、ユーザの課題からその解決方法までを見ていき、矛盾点などがある場合や、しっくりこない場合などはすぐに気付く事が出来るのはよい気付きだった。
インターン生のアイディア出しを元に、良い点・悪い点などを参考にして、自分たちのアイディア出しに活かせるようにしたいと思う。

まとめ



教えるという観点から自分の伝達能力の低さを感じ、具体的、かつ簡潔に教えることが出来るようになる必要があることを感じた。
また、昨年の自分たちと違いインターン生の技術的な優秀さを見ても、エンジニアの技量が年々上がっていることを感じた。
しかし、アイディア出しなどを見ていると「サービスを生み出す」という点に関してはまだまだ弱いと感じた。
最終発表でインターン生の表情や感情を感じることで、以前のTreasure終了後の気持ちを取り戻した気がする。
これからのエンジニアが技術的な方向で優秀になっていくか、それともサービスを生み出す技量を磨いていくのか、楽しみにしながら俯瞰していこうと思う。